硝子体注射とは
硝子体に直接注射する施術を硝子体注射と言います。硝子体とは、水晶体の後ろ側に位置しており、その99%が水分というゼリー状の組織です。
硝子体注射は、主に抗VEGF治療が必要とされる患者様に対して行われます。VEGFとは血管内皮増殖因子とも呼ばれる物質で、血管新生の促進作用があるとされています。新生血管というのは、糖尿病網膜症や加齢黄斑変性の滲出型の患者様に発生しやすいとされていますが、それに関わっているのがVEGFです。このVEGFの働きを抑制させるのがVEGF阻害薬です。硝子体注射では、この薬剤を硝子体の中に直接投与します。これによって網膜に発生した新生血管は退縮していきます。なお抗VEGF療法(硝子体注射)は、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症(糖尿病黄斑症)のほか、網膜中心静脈閉塞症、網膜静脈分枝閉塞症、近視性脈絡膜新生血管などの患者様に用いられています。
施術の手順ですが、まず注射の前に点眼麻酔をします。その後、注射となります。この場合、非常に細い注射針を白目の部分に刺入していきます。痛みについては、感じたとしても軽度なものです。施術時間は注射ですので、ほんの数秒で終了します。
なお硝子体注射は1度打てば終わりというものではありません。回数や頻度(間隔)については、原因となる病気や病状の進行の程度によって異なります。糖尿病網膜症や加齢黄斑変性の患者様であれば、初回から3回目までは、1ヵ月に1度の頻度で打ちます。その後は、患者様の病状の経過などを確認しながら、医師が必要と判断した間隔で注射を打つことになります。